神社うんちく帖『神饌編(お供え物)』おまけ

カテゴリ:神社うんちく帖

今回は『神社うんちく帖『神饌編』その参』の続きというか、おまけです。
前回「お供え物の順番」について、「神社庁暦などをご参照下さい」などと放りっぱなしだったので、今回改めて画像を作ってみました。

「神饌」つまり「お供え物」の順序について(ご家庭の神棚の場合)

お供え物の上げ方

お供え物の上げ方

左図をクリックしていただくと拡大されます。

神棚にお上げするお供え物は、基本的には以下の通りです。

1:お米
2:お神酒(スペースがある場合)
3:お塩
4:お水

横一列の場合、横二列の場合、横三列の場合を図で示しておりますが、順序はこのようになります。

神棚の広さによりお供えできる物が変わる場合もありますので、そのあたりは

これは神社でも同じですが、神様がいらっしゃる中央を基準に考えます。ちなみに、中央を「正中(せいちゅう)」と言います。

正中から見た順序は次の通りとなります。

「正中」を基準にしたお供え物の順序(応用編)

「正中」を基準にした順番

「正中」を基準にした順番

今回はあんまりスペースをとれませんので、奇数は三つ、偶数は四つの場合で図を作りました。

上に示した「並べ方」の図と合わせてご覧になると、並べ方がどのような順序になっているかおわかりいただけると思います。

正中を基準にしたお供え物の順序は、左図の通りとなりまして、奇数・偶数ともに増えていく場合もこの順序に従っていきます。

正中から向かって右側、つまり、神様から見て左側が上位となりますので、偶数の場合は順序もこの例に倣います。

地鎮祭家内安全修祓祭、また宅神祭などの「出張祭典」のときは、お供え物が増えますので、一列・二列となりますが、この奇数と偶数の組み合わせでお供え物をお上げしていきます。

ちなみに、出張祭典のときに準備するお供え物は基本的に以下の通りとなっております。
いずれも神様にお供えする物ですので、きちんとした物をお選びいただきたいと思います。

  1. お米  … だいたい8合ほど
  2. お神酒 … 一升ないしは一升瓶二本
  3. お魚  … 鯛など 出来れば2尾ほど
  4. 海菜  … 昆布・スルメ・寒天などの干物
  5. 野菜  … 出来れば地元産の旬野菜
  6. 果物  … 旬の果物
  7. お塩  … 粗塩
  8. お水  … 適量

なお、地鎮祭を含めた出張祭典のお供え物は、地域ごとによって若干異なる場合がありますので、その地区を担当していらっしゃる神社の方へお問い合わせ下さい。

以上、神様にお供えする「神饌」についてのおまけうんちくでした。
ご家庭で、もしくは出張祭典などのご参考になれば幸いです。

 

明日は「鏡開き」の日です

カテゴリ:神社うんちく帖

今日はとっても寒い一日でした。
日中の気温は3℃台で推移していて、風が痛いくらいでしたね。いや、風が吹かなくてもじっとしていたら凍えそうなほどでしたけれど。

週間天気予報を見ると、今日が寒さの底のようで、これから少しずつ気温も平年並みになっていくようです。ちなみに、午後8時現在の気温はアメダスのデータによると、5.2℃。昼間よりも少しばかり気温が上がっています。

日本気象協会のピンポイント予報を見ると、明日は今日よりもほんの少しばかり気温が上がりそうです。でも、平年を大きく下回るのは確実で。もうちょっと寒い日が続きそうですね。

さて、明日は「鏡開き」の日です

鏡餅

かがみもちー☆

お正月に年神さまにお供えしていた鏡餅を下ろし、雑煮やお汁粉などにして食べる日です。

この「鏡開き」について調べてみますと、元々は武家社会の風習で、二十日に行われていたようです。なぜ十一日になったかということには諸説あるようで、あまり判然としません。

また、各地方によって日にちに違っていたりして、三日に行うところもあれば、二十日に行うところもあるようですね。

現在は十一日に行われることが多くなっていて、大きな神社などで鏡開きを行うと、その様子がニュースで報道されたりします。

なかでも東京の講道館で行われる鏡開きは、全国ニュースに取り上げられるほどに有名なようです。

長崎県では諏訪神社さんあたりの鏡開きがローカルニュースに取り上げられるかも知れませんね。

そもそもなぜ「鏡」なのか

お正月に年神さまを迎えるためにお供えするこの鏡餅。なぜ「鏡」なのかというのもいくつか説があるようです。代表的なものを上げてみますと――

  • 人間の心臓の象徴という説
  • 三種の神器のひとつ「八咫鏡」をかたどったという説
  • 丸いその形から「円満」を象徴するという説

――などがあるようです。

どれをとっても、そこに込められた意味というのは「大切なもの」であるということに間違いはないようです。それを年神さまへのお供え物として捧げるということは、古来から年神さまを敬い祀る心があったのは確かなことでしょう。

「鏡開き」の原型

先ほども書いたように、元々この行事は武家社会の風習だったようです。

武家では、「具足開き」といい、鎧兜などの具足に供えた「具足餅」を雑煮にして食べるという「刃柄(はつか)を祝う」習わしがあったそうです。

もちろん鏡開きも行われており、鏡餅を分け合って食べてることで、主従関係を円滑にするという側面もあったといわれています。

なぜ「開く」なのか

鏡開きでは刃物を使わず、木槌などを使って餅を割って「開く」ことから、「開き」という言葉が使われています。「切る」「割る」という言葉は忌み言葉を避けて「開き」という縁起がよい言葉が用いられるようになりました。

「鏡」は先ほども書いたように「円満」を、「開き」は末広がりを意味し、一家の円満と繁栄を祈念して、神様からのお下がりをいただくという意味があります。

「鏡開き」にはこうした意味や縁起担ぎがあるのですね。物事というのは調べてみると面白いものです。

最期にもう一度注意点を

お餅を開くときに刃物を使ってはいけません

ということで、今日のエントリはこれにて。

 

神社うんちく帖『狛犬編』 その弐

カテゴリ:神社うんちく帖

さて、前回の『狛犬編』その壱の続きです。

狛犬のあれこれ

前回は狛犬の伝来や変遷などについて書きましたが、今回は狛犬そのものあれこれについて書いてみたいと思います。

まず、向かって右側の像は口を開いている「阿形(あぎょう)」と呼ばれ、角はありません。口を閉じている左側の像は「吽形(うんぎょう)」と呼ばれ、角があるものがあります。

向かって右側の「阿形(あぎょう)」

向かって右側の「阿形(あぎょう)」

口を閉じている左側の像は「吽形(うんぎょう)」と呼ばれ、角があるものがあります。

吽形

向かって左側の吽形(うんぎょう)

これらの両方の像を合わせて「狛犬」と呼ぶことが多いのですが、正確には”角があるもの”を「狛犬」と呼び、”角がないもの”を「獅子」と言い、一対で「獅子狛犬(ししこまいぬ)」と呼ぶのが正しいようです。

当淀姫神社の像は、両方とも角がありませんので正式には「獅子像一対」であるといえます。

神獣は神様の御使い

前回も書きましたが、狛犬も獅子も架空の神獣です。これらの神獣を神道では神様の御使いとし、総称して「神使(しんし)」と呼びます。
神使には他にもいろいろな動物がいて、神社の由緒などによって様々です。

一番身近なところでは、お稲荷様の狐が有名です。たいていの稲荷社では狛犬像の代わりに狐の像が狛犬の役割を果たしています。
また、ところによっては土地の伝承に伴って、河童の像が狛犬の代わりを果たしているところもあります。

神使は、神様と人を繋ぐ存在であり、同時に神様を守護する存在でもあります。その仕える神様が現れる前に先遣り(さきやり)として現れてその行動によって神様の意志を表します。

狛犬は、聖域を守りつつ静かにわたしたちを見つめ続けているのであります。